湊かなえ『カケラ』を読んだ感想

美容クリニックに勤める医師の橘久乃は、久しぶりに訪ねてきた幼なじみから「やせたい」という相談を受ける。カウンセリングをしていると、小学校時代の同級生・横網八重子の思い出話になった。幼なじみいわく、八重子には娘がいて、その娘は、高校二年から徐々に学校に行かなくなり、卒業後、ドーナツがばらまかれた部屋で亡くなっているのが見つかったという。母が揚げるドーナツが大好物で、それが激太りの原因とも言われていた。もともと明るく運動神経もよかったというその少女は、なぜ死を選んだのか――?
「美容整形」をテーマに、外見にまつわる固定観念や、人の幸せのありかを見つめる、心理ミステリ長編。

出典:Amazon

 

湊かなえさん著の『カケラ』を読みました。

湊さんの書くミステリって気持ちのいい終わり方する作品があんまりなくて、読後にモヤモヤした嫌な気持ちが残っちゃうんですが、一種の中毒性みたいなのがあって、新刊が出るたびに買ってしまいます。

人間のリアルな黒い部分が出ていて、面白くて一気に読み切りましたが、今回も気持ちのいい終わり方はしなかったです(個人的な感想です)。

 

大量のドーナツに囲まれて、部屋の中で死んでいた少女。
少女の名前は「吉良有羽(きら ゆう)」。

 

少女はなぜ死んだのか?物語が進むにつれて次第に真相が明らかになっていくっていうミステリです。

同じ湊さんの『白ゆき姫殺人事件』っぽいなと思いました。この作品が好きな人には、オススメしたい作品です。

 

そしてこの少女がなぜ死んだのか?というのを追っていくのは、美容クリニックの医師である「橘 久乃(たちばなひさの)」という女性。

 

この橘久乃がインタビュー形式で色んな人に、死んだ有羽について聞いていきます。

 

章ごとに語り手が変わります。語り手は全員で8人です(橘久乃を含めれば9人ですが)。それぞれにクセが強めです。いいヤツだなと思う人物もいれば、嫌いだなと思う人物もいました。

当然語り手の主観で少女の印象が語られるので、真実がどこにあるんだろう?という思いは読んでいる最中にありました。

 

 

作中の印象に残ったセリフ

仮に、人間関係の形成に支障をきたすといった問題があるとして、それを改善しなきゃならないのは、見た目が悪い人の方なの?

P139より引用

 

最後に 

なんで『カケラ』っていうタイトルを付けたのだろう。

読んでいる途中はなかなかしっくりこなかったのですが、最後まで読むと納得できました。

人間って結局「認められたい」生き物で、他者からの承認を失ったときの人間の心情が掘り下げられていて面白かったです。

でも、どうしてこの少女はこんなことで死なないといけなかったの?
読み終わったあと、イヤな気持ちになるかもしれません。

興味のある方はぜひ読んでみてください。

湊かなえさんのオススメ作品

告白

2009年に本屋大賞を受賞した『告白』。

愛娘を殺された教師の森口悠子が、犯人である教え子の少年2人に復讐を仕掛ける内容には衝撃を受けました。

個人的には湊さんの作品の中でいちばん好きです。

贖罪

僕が湊さんの小説の中で、読んでいて一番嫌な気分になる作品です。
15年前に性的暴行を受け殺された少女。そのとき一緒に遊んでいた4人の少女たちは罪の意識を背負ったまま大人になり、次々と彼女たちに悲劇が降りかかるというストーリーです。

ここまで読んでいただき、ありがとうございました

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